付言事項を含めて遺言書を遺すことで、財産の分け方のみでなく「被相続人の想い」を伝えることが出来た解決事例
相談者様のご状況
①品の良いおばあちゃまが、知人のご紹介で当事務所を訪ねていらっしゃいました
②若い時から、当時は珍しかった総合職として、キャリアを積み、社会の第一線で活躍なさってこられたそうです。お仕事が忙しく、家族をなす暇もなかった、と、ご家族はなく、引退後はお一人で、趣味の生け花や香を楽しんで来られましたが、健康に不安を覚え、自分のなした財産などを社会や人の為に役立てたいとお考えでした。
司法書士の対応・結果
①遺言は、遺書ではないので、亡くなる準備ではなく、お元気なうちにお気持ちを残しておくものとご説明し、お気持ちに沿ったご遺言をお作りすることにしました。
②今まで社会の為に必死になって働いてきたから、その結果も社会の為に全て役立てたい、とご希望で、ご遺産は茶室を作って寄付し、ご逝去後のお身体は、困っている方のために全て使って頂きたい、とおっしゃいました。
③ご親族の抵抗感が最小限であるように、文章の書き方に十分配慮し、ご遺言をお作りしました。加えて、遺されたご親族様に強いお気持ちが伝わるよう、遺言の本文とは別に「付言事項」という部分を本文に足し、素直なお気持ちをそのまま記載致しました。また、個別にお伝えしたい気持ちは、その方あてのお手紙を同封するよう、ご提案しました。
④ご逝去後、ご親族様は、「自由に生きた人だったけど、最後までその自由を貫けてよかった、幸せだったと思う」とおっしゃっていただきました。
ポイント
今回は遺言書を遺すことで円満に相続を行い、御遺志も伝えることが出来たという事例でした。
遺言書を遺すことには
・元気な内に財産の分け方を決めておくことが出来る
・法定相続人以外の方にも財産を渡すことができる(相続人の遺留分は侵害出来ない)
・相続人同士の争いを未然に防ぐことができる
・相続手続きの手間を減らす事ができる
など様々なメリットがあります。
さらにそれに加えて今回の事例のように「付言事項」を遺すことで
遺言の意図や遺贈者の想いを正しく伝えることが出来ます。
■「付言事項」とは
付言事項とは法的な効力を持たない遺言書への記載事項のことです。
必ず遺言書に書かなければならないというわけではないですが、遺言の意図や葬儀の希望などを付言事項として残しておくことでトラブルなどを避ける事が出来ます。
ただし、遺言書には形式などに要件があり、満たしていない場合は無効とみなされるケースがあります。
手続き面は勿論のこと、想いも込めて遺言を遺すからこそ、一度は専門家に遺言の内容など相談するべきです。
弊所では無料相談も実施しておりますので、是非お気軽にご連絡下さいませ。