【知らないと大変!?】認知症になったら出来なくなること

認知症になったらできなくなることを専門家が解説今、日本のご高齢者のうち、認知症を発症する率は年間で10~30%と言われています。(参照:厚生労働省2019年6月20日発行の資料より

では認知症を発症すると、できなくなること困ることはどんなことでしょう。ここでは健康面だけでなく、財産管理の専門家である司法書士の立場からわかりやすくお話ししていきます。

認知症を発症すると…

認知症を発症すると、昼夜問わずどこかへ出かけて居なくならないか24時間誰かが見守ることや、うっかり火事を起こしたりしないように火の元の管理など、本人の生活を守るための援助が必要になりますね。

そして、財産面の援助で大変困るのが、認知症発症による銀行口座凍結や、法律的な手続きに後見人などの代理人を立てなければいけないなどその財産処分や行動に制限がついてしまうことです。

これは、想像するよりもとても大変なことで、これが起こってしまうとご家族といえども代わりをすることはできません。実際にどんなことが起きるのか、その解決法はどんなものか解説していきます。

そもそも認知症とは、どんな状態をいうのでしょう?

認知症にはいくつかの種類がありますが、代表的なものが「アルツハイマー型認知症」で、全体の6割を占めると言われています。

ただの物忘れと認知症の違い

「ほら、あの人、あの俳優さん誰だっけ?」など、よく知っているはずのお店の名前や人の名前が出てこないとか、昨晩のおかずが思い出せないといった記憶忘れや、何かを取りに行って、その何かをとらずに帰ってくるといったうっかり忘れ加齢による自然な現象です。認知症ではありません。

認知症の場合はその事柄についての記憶が丸ごと抜け落ちてしまうような状態を指します。

例えば、あの人、よくTVで見る俳優さん。だけど名前が思い出せない…これは物忘れ。

認知症の場合は、「TVでよく見るあの人」ということ自体を忘れています。

また、昨晩のおかずが思い出せないのではなく、ご飯を食べたこと自体を忘れてしまい、「今日は一度もご飯を食べさせてもらっていない」と周りに訴えたり、飾り物の果物を本物と間違えて食べてしまったり。これが認知症の症状です。

このように、認知症になると丸ごと記憶が抜け落ちてしまうため、周りの状況を理解する、自分の意思を明確に判断して行動するということができなくなります。

認知症が認められると…

その為、認知症の発症が認められると、本人の財産や生活を守るため、銀行は本人の「口座凍結」をしたり、法律上の手続きは後見人でないとできなくなったりします。

これは、当然、本人を守るため、です。

認知症になると健康面だけでなく財産面で、できなくなってしまうことがあります。

口座名義人が死亡すると、銀行口座が凍結されるというのはご存知の方が多いかと思います。

これは、相続協議中は不正が起きないよう、口座が利用できないようにする為の措置です。

銀行口座が凍結される場合としては、次のケースが考えられます。

① 親族が、取引のあった銀行に口座名義人の死亡を伝えて口座を凍結する。
② 葬儀の告知を見た銀行が、故人の口座を凍結するケース。(ごく稀です)
③ 認知症発症時に、死亡の時と同様、家族が認知症について銀行に告知し、口座を凍結してもらう。
④ 認知症を発症した口座名義人が、銀行に出かけた際、銀行が、口座名義人である本人の認知症状態に気付き、口座を凍結するケース。
⑤ 認知症になった本人の施設入所のために、家族が定期預金などを解約しようとして、家族が本人と一緒に銀行へ出向き、そこで認知症ということが判明して、凍結されるケース。

これは、あくまでも、認知症と疑われる口座名義人が、詐欺や横領などの犯罪被害や口座の不正使用被害に巻き込まれ、財産を失うのを防ぐという目的のためです。

口座の凍結をされると困ることも

ところが、本人を守るためのこの措置も口座が凍結されてしまった以上、預金の引き出しや解約は一切できなくなります。

例え、口座名義人本人のために預金を利用することが明確な、例えば介護費用の支払いや施設入所のための契約金だとしても、です。

くわえて、口座名義人との親族関係が明白、例えば、戸籍謄本やマイナンバーカードなどを提示して親子関係が書類上も明らかに分かるような場合でも一切引き出し、解約は認められません。

預金は口座名義人本人の財産。その財産の処分は、例え親族、子どもなど、本人の介護を務めている方であっても、本人の意思が確認できない以上、勝手に処分することは一切認められない、という趣旨です。

解決の方法とは

本人がお金を持っているのに使えない状態というのは、家族にとって、介護と経済支援、両方の援助をすることになり、大変な状況です。なんとかする方法はないのでしょうか。

認知症で口座凍結されてしまった場合、「成年後見制度」を使うことで、本人の財産を介護に使うことができます。

成年後見制度とは、認知症などにより判断能力が低下し、財産管理や契約ごとができず、悪徳商法などの被害で財産を失う恐れがある人を支援する制度で、本人の判断能力の程度に応じ、後見と保佐と補助の3つに分かれた制度を使うことができます。

ただし、この制度は、裁判所指定の後見人に財産管理を任せ、裁判所の監督を受ける制度で、あくまでも本人の為の制度です。心身共に介助する家族に寄り添った制度とは言い難いのが現実です。

民事信託

そこで、ご家族、ご本人、双方に寄り添った制度が【民事信託】です。これは、NHK「あさイチ」でも特集された、注目の認知症対策です。

専門的な立場から、一覧を以下にご案内します。ぜひご参考になさって下さい。これからの高齢化社会が、明るく、そして安全に、誰もが生きやすい未来となりますように。私共ができることをひとつずつ、精一杯お手伝いさせていただきます。

民事信託(家族信託)とは

信託とは財産を信頼できる人(あるいは会社)に託して、託した目的に従って管理してもらうことです。

財産所有者が元気なうちは自分で管理したいが、徐々に意志判断能力を欠き、資産の運用・処分が法的に難しくなることに備えて、事前に親子等で資産の運用・処分の仕組みを決めておくことで、不必要な争いを生まないようにできることが民事信託のメリットです。

近年、高齢化率(65歳以上の人が総人口に占める割合)が急上昇しており、日本は「超高齢社会」と言われています。

超高齢社会の到来により、認知症患者の増加が懸念され、相続対策を考える上でも大きな課題となっております。

元気なうちはできるだけ頑張って、いざというときにはきちんと備えておくというのが、民事信託の仕組みですから、まさに今の時代に必要なぴったりの制度と言えるでしょう。

一般的に信託というと信託銀行をイメージされるかもしれませんが、一般の方でも信託を受けること(財産を預かること)が可能です。

民事信託の活用事例について

親亡き後に障がいを持つ子供の生活を保護してほしい
自分の死後、高齢あるいは認知症の配偶者の財産を適切に管理してほしい
自分の死後、息子に相続財産を少しずつ渡したい
高齢の親の財産を管理したい
自社株を後継者へ贈与したいが、議決権は引き続き保有したい

民事信託制度の流れと当事務所のサポート内容

1、民事信託の設計(認知症発生前の事前対策)
2、推定相続人の調査・必要書類の収集
3、相続税シミュレーション(相続税診断)
4、ご家族との調整
5、信託契約書作成
6、公証役場手続き対応
7、税務署申告手続き対応
8、信託口座開設
9、信託契約後のサポート

民事信託コンサルティング費用

 瀬戸市・尾張旭市エリアで家族信託・民事信託に精通している事務所はまだまだ少ないので、ぜひ当事務所にご相談くださいませ!

信託財産の評価額 手数料
1億円以下の部分 1%(3,000万以下の場合は、最低額30万円)
1億円超3億円以下の部分 0.5%
3億円超5億円以下の部分 0.3%
5億円超10億円以下の部分 0.2%
10億円超の部分 0.1%

上記の費用の他に以下が発生します。

①信託契約書を公正証書にする場合は、公証役場の実費(公正証書作成費用3万円から)

②信託契約書の作成費用

③信託財産に不動産がある場合の登録免許税及び司法書士費用
(固定資産税評価額の1,000分の4。ただし、土地信託の場合は固定資産税評価額の1,000分の3)

④信託監督人を置く場合の信託管理人司法書士費用 (月額1万円~)
*郵送費等の実費が発生します

その他、当事務所がお手伝いできるサービスはこちら!

①信託契約書の作成(遺言信託のご相談)

②信託財産に不動産がある場合の登記申請

③信託監督人への就任

④家族信託・民事信託導入後のメンテナンスやアドバイス


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